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clear/note/2011-04/17-dmenu

MMA

dmenuをいじって使いやすくする

実験レポート風に書こうとして途中で面倒になったので文章の構成が変になったかもしれない。

概要

dmenuはX上で動作するコマンドタイプのランチャである。元々はdwmのために開発されたものだが、他のウィンドウマネージャと合わせて使うことも可能。普通に使うとパスの通っている全てのコマンドが辞書順でメニューに表示されるが、膨大な量になる上、実際にランチャから起動したいものはその中のごく一部である。1そこで、ランチャから起動して使いたいコマンドだけを表示することができないか試したらできてしまった。

dmenuの動作

dmenu単体では完全なランチャとしては動作せず、2つのシェルスクリプトdmenu_rundmenu_pathの補助により、ランチャとして動作する。

以下にdmenuの動作概念図を示す。

dmenu.png

やったこと

  1. おもむろにdmenu_runを眺める。

    cat `which dmenu_run`
  2. やっていることは非常にあっさりしていた。これはいける、と確信を得る。
       1 #!/bin/sh
       2 exe=`dmenu_path | dmenu ${1+"$@"}` && exec $exe
    
    • $@にはdwmから与えられるフォントや色の情報が入っており、dmenuはこれらを引数として受けとることでdwmのバーと同じ見た目を実現する

    • dmenuは何かが選択されたときに0を返すので&&でつないでいる

  3. 今回は自分の使いたいコマンドだけをメニューに出したいので、dmenu_pathは使わない。改行区切りであれば何でもいいので、とりあえず~/.dmenu_listという名前で一覧を書いて保存しておく。

    firefox
    thunderbird
    libreoffice
    xlock
    nitrogen
    • 最後に空行があるとメニューに空のエントリが出てしまうので空行は入れない
    • それぞれのエントリはそれだけでコマンドとして実行できる(パスが通っている)必要がある
      • 今回はやらなかったが、多分この辺は何とでもなる。少し余分にスクリプトを書けば、例えば短い名前とフルパスの表を作っておいてあれこれすることもできるだろう
  4. あとは~/.dmenu_listdmenuの標準入力に投げ込めば良いので、スクリプトをでっち上げる。ファイルは~/bin/dmenu_personalとした。

       1 #!/bin/sh
       2 exe=$(dmenu < $HOME/.dmenu_list) && exec $exe
    
    • ちなみに-lオプションでメニューを複数行表示(行数は-lの後で与える)に、-bで下にメニューを表示するようにできる。これら二つは併用できない。

  5. とりあえず、単体で問題なく動作することを確認
    dmenu_personal
  6. dwmのconfig.hを書き換える

    < static const char *dmenucmd[] = { "dmenu_run", "-fn", font, "-nb", normbgcolor, "-nf", normfgcolor, "-sb", selbgcolor, "-sf", selfgcolor, NULL };
    ---
    > static const char *dmenucmd[] = { "/home/clear/bin/dmenu_personal", "NULL" };
    • フォントや色はdwm側でなく、dmenu_personalの方で引数を与えて設定することにした。変更時再コンパイルする必要がなくなる
    • ランチャが使えるようになったのでショートカットキーを大幅削減
  7. dwmをmake、動作確認

  8. 動いた

まとめ

今回のようなことができたのはひとえにdmenuの設計のおかげ。いい感じに機能を分割してあるおかげで柔軟性が高い。

  1. 特に、コンソール上で動作するものはdmenuから起動する意味が無い (1)

clear/note/2011-04/17-dmenu (最終更新日時 2011-07-16 00:52:34 更新者 clear)