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   1 \documentclass[11pt、a4paper]{jsarticle}
   2 \usepackage[version=3]{mhchem}
   3 \usepackage[dvipdfmx]{graphicx}
   4 \begin{document}
   5 \pagestyle{empty}
   6 % \title{}
   7 % \author{}
   8 % \date{年月日}
   9 
  10 % \maketitle
  11 
  12 \section{目的}
  13 
  14 ガイガー・ミューラー計数管を用いて、放射性原子が放射性崩壊する際に出る放射線を観測し、
  15 放射性原子の放射性崩壊の法則と物質による放射性吸収について調べる。
  16 
  17 \section{原理}
  18 
  19 \subsection{ガイガー・ミューラー計数管}
  20 
  21 ガイガー・ミューラー計数管(以下 GM計数管)とは高い電圧をかけた金属円筒の中に放射性粒子が1つ入ると放電が起こり
  22 1個の電流パルスが生じることを利用してある時間内において放射性粒子がいくつ計数管を通過したかを
  23 生じたパルス数を数えることで計測する装置である。
  24 
  25 \subsection{放射性原子の崩壊}
  26 
  27 原子核の中には不安定なものが存在する。 不安定な原子核は崩壊してより安定な原子核になる。
  28 この際に α線(He の原子核)や β線(電子)や γ線(電磁波)を放出する。
  29 この現象が放射性原子の崩壊である。
  30 
  31 今回の実験の放射線源である \ce{_{55}^{137}Cs} (セシウム137) は次のように
  32 電子 e$^-$ (β線) と中性子線(ニュートリノ) $\bar{\nu}_e$ を放出して
  33 \ce{_{56}^{137}Ba} (バリウム137) に崩壊する。
  34 \\
  35 
  36 \begin{center}
  37 \ce{_{55}^{137}Cs ->_{56}^{137}Ba + e^- + \bar{\nu}_e}
  38 \end{center}
  39 
  40 \section{実験方法}
  41 
  42 \subsection{自然計数の測定}
  43 
  44 近くに放射性源がなくても GM 計数管の計数値は 0 にならない。 これは宇宙線や身の回りに極微量存在する
  45 天然の放射性原子からの放射線によるものである。 これを自然計数という。
  46 
  47 以下のような手順でこの自然計数の値を測定した。
  48 
  49 \begin{itemize}
  50     \item GM 計数管のスタンドに何も入れないで GM 計数管の電源を入れた。
  51     \item 電圧調整つまみを回して電圧指示計が 500 V を指すように調整した。
  52     \item カウンターの計数時間を 60s に設定した。
  53     \item 計数を20回繰り返した。
  54 \end{itemize}
  55 
  56 \subsection{β線の計数値の分布の観測}
  57 
  58 β線源 (セシウム137) を一定時間の計数値の分布を以下のような手順で測定した。
  59 
  60 \begin{itemize}
  61     \item β線源(セシウム137)を取り出し、 GM計数管スタンドの上から 60 mm の段に入れた。
  62     \item カウンターの計数時間を 1 s に切り替え、 100回計数値を測定した。
  63     \item 線源は同じ位置のまま300回計数値を測定した。
  64     \item 線源をGM計数管スタンドの同じ段のまま 300 回計数値を測定した。
  65     \item 線源をGM計数管スタンドの120mm、80mmの段に入れ、 300 回係数値を測定した。
  66 \end{itemize}
  67 
  68 \subsection{β線の吸収の測定}
  69 
  70 GM計数管スタンドに放射線源を入れその上に金属板を載せることで計数値が金属板の厚みとともにどのように
  71 変化するのかを以下のような手順で調べた。
  72 
  73 \begin{itemize}
  74     \item GM計数管スタンドの上から 80 mm の位置に放射線源を入れ、上から 30 mm の段に穴の空いた板を入れた。
  75     \item カウンターの計数時間を 60s に設定した。
  76     \item 上の段に入れた板の穴を厚さ 1 mm の Al 板でふさぎ 1 min 間の計数値 $N^{\prime}$ を求めた。
  77     \item この測定を 5 回繰り返し、 平均値 $ \overline{N^{\prime}}$ を求めた。
  78     \item 1 mm の Ti 板を取り出し、 Ti の薄板を 0 枚から 1 枚ずつ入れて、 各枚数に対して計数値 $N$ を 3 回
  79               測定し、 $ \overline{N^{\prime}}$ を求めた。
  80     \item Ti の薄板の厚みをマイクロメーターで測定した。
  81     \item 同じ測定を Cu の薄板に対しても行った。
  82 \end{itemize}
  83 
  84 \section{結果}
  85 
  86 \subsection{自然計数の測定}
  87 
  88 自然計数の計数値と出現回数は次の表に示す通りとなった。
  89 
  90 \begin{table}[htb]
  91     \centering
  92     \caption{自然計数の計数値と出現回数}
  93     \begin{tabular}{|c||cccccccccccc|}
  94         \hline
  95         計数値    & 9 & 10 & 11 & 12 & 13 & 14 & 15 & 16 & 17 & 18 & 20 & 22 \\
  96         \hline
  97         出現回数 & 1 & 1 & 2 & 3 & 1 & 1 & 1 & 2 & 3 & 3 & 1 & 1 \\   
  98         \hline
  99     \end{tabular}
 100 \end{table}
 101 
 102 表1 にまとめた計数値の平均値を $N_0$ とすると $N_0 = 14.9$ となった。
 103 また横軸に計数値 $N$、 縦軸に同じ計数値の出現回数 $n$ をとった棒グラフを作成し、 レポート末尾に添付した。
 104 
 105 \clearpage
 106 
 107 \subsection{β線の計数値の分布の観測}
 108 
 109 総回数 100 回、 ゲート時間 1 秒、 線源の位置 60 mm としたときの測定結果は次の表のようになった。
 110 
 111 \begin{table}[htb]
 112     \centering
 113     \caption{セシウム137の計数値の分布の実験データ}
 114     \begin{tabular}{cccccc} \\
 115         \hline
 116         計数値 & 出現回数 & 出現確率 & 計数値と $n_N$ の積 & 2乗偏差と$n_N$ の積 & ポアッソン分布 \\
 117         $N$    & $n_N$    & $n_N/\sum n_N$& $n_N N$     & $n_N (N-\overline{N})^2$ & $P(N)$ \\
 118         \hline
 119         10 & 2 & 0.017 & 20 & 203.19 & 0.005588 \\
 120         11 & 1 & 0.008 & 11 & 82.43 & 0.010201 \\
 121         12 & 1 & 0.008 & 12 & 65.28 & 0.017070 \\
 122         13 & 1 & 0.008 & 13 & 50.12 & 0.026367 \\
 123         14 & 4 & 0.035 & 56 & 147.84 & 0.037817 \\
 124         15 & 3 & 0.026 & 45 & 77.40 & 0.050624 \\
 125         16 & 10 & 0.088 & 160 & 166.43 & 0.063532 \\
 126         17 & 6 & 0.053 & 102 & 56.90 & 0.075042 \\
 127         18 & 14 & 0.123 & 252 & 60.54 & 0.083712 \\
 128         19 & 13 & 0.115 & 247 & 15.15 & 0.088468 \\
 129         20 & 11 & 0.097 & 220& 0.06 & 0.084928 \\
 130         21 & 8 & 0.070 & 168 & 6.88 & 0.084298 \\
 131         22 & 10 & 0.088 & 220 & 36.87 & 0.077515 \\
 132         23 & 9 & 0.079 & 207 & 76.75 & 0.067672 \\
 133         24 & 5 & 0.044 & 120 & 76.84 & 0.056618 \\
 134         25 & 3 & 0.026 & 75 & 72.62 & 0.045475 \\
 135         26 & 3 & 0.026 & 78 & 105.15 & 0.035120 \\
 136         27 & 3 & 0.026 & 81 & 143.67 & 0.026118 \\
 137         28 & 2 & 0.017 & 56 & 125.46 & 0.018730 \\
 138         29 & 0 & 0.000 & 0 & 0 & 0.012969 \\
 139         30 & 2 & 0.017 & 60 & 196.82 & 0.008680 \\
 140         31 & 0 & 0.000 & 0 & 0 & 0.005622 \\
 141         32 & 0 & 0.000 & 0 & 0 & 0.003528 \\
 142         33 & 2 & 0.017 & 66 & 333.87 & 0.002146 \\
 143         \hline
 144         合計 & 113 & 1 & 2269 & 2100.28 & 0.99237 \\
 145         \hline
 146     \end{tabular}
 147 \end{table}
 148 
 149 計数値の平均値 $\overline{N}$$\overline{N} = 20.79$、 標準偏差$\sigma$$ \sigma = 4.33$ となった。
 150 
 151 横軸に計数値 $N$、 縦軸に計数値 $N$ の出現確率 $n_N / \sum n_N $ をとって棒グラフに合わしたものをレポート末尾に添付した。
 152 またポアッソン分布から各係数値 $N$ に対する確率 $P(N)$ を計算し、 その値を棒グラフに大きめのバツ印で書き込んだ。
 153 
 154 \clearpage
 155 
 156 総回数 300 回、 ゲート時間 1 秒、 線源の位置 60 mm としたときの測定結果は次の表のようになった。
 157 
 158 \begin{table}[htb]
 159     \centering
 160     \caption{セシウム137の計数値の分布の実験データ2}
 161     \begin{tabular}{cccccc} \\
 162         \hline
 163         計数値 & 出現回数 & 出現確率 & 計数値と $n_N$ の積 & 2乗偏差と$n_N$ の積 & ポアッソン分布 \\
 164         $N$    & $n_N$    & $n_N/\sum n_N$& $n_N N$     & $n_N (N-\overline{N})^2$ & $P(N)$ \\
 165         \hline
 166         8 & 1 &0.003 & 8 & 147.62 & 0.001195 \\
 167         9 & 1 & 0.003 & 9 & 124.32 & 0.002677 \\
 168         10 & 1 & 0.003 & 10 & 103.02 & 0.005394 \\
 169         11 & 0 & 0.000 & 0 & 0 & 0.009881 \\
 170         12 & 1 & 0.003 & 12 & 66.42 & 0.016593 \\
 171         13 & 9 & 0.030 & 117 & 460.10 & 0.025719 \\
 172         14 & 16 & 0.053 & 224 & 605.10 & 0.037017 \\
 173         15 & 11 & 0.036 & 165 & 291.74 & 0.049727 \\
 174         16 & 13 & 0.043 & 208 & 223.89 & 0.062624 \\
 175         17 & 20 & 0.066 & 340 & 198.45 & 0.074228 \\
 176         18 & 41 & 0.136 & 738 & 189.52 & 0.083095 \\
 177         19 & 28 & 0.093 & 532 & 37.03 & 0.088124 \\
 178         20 & 30 & 0.100 & 600 & 0.67 & 0.088785 \\
 179         21 & 22 & 0.073 & 462 & 15.89 & 0.085191 \\
 180         22 & 29 & 0.096 & 638 & 99.25 & 0.078028 \\
 181         23 & 14 & 0.046 & 322 & 113.71 & 0.068359 \\
 182         24 & 18 & 0.060 & 432 & 266.80 & 0.057393 \\
 183         25 & 13 & 0.043 & 325 & 305.79 & 0.046259 \\
 184         26 & 5 & 0.016 & 130 & 171.11 & 0.035850 \\
 185         27 & 7 & 0.023 & 189 & 328.45 & 0.026755 \\
 186         28 & 9 & 0.030 & 252 & 554.60 & 0.019254 \\
 187         29 & 3 & 0.010 & 87 & 234.96 & 0.013378 \\
 188         30 & 3 & 0.010 & 90 & 291.06 & 0.008985 \\
 189         31 & 5 & 0.016 & 155 & 588.61 & 0.005840 \\
 190         32 & 0 & 0.000 & 0 & 0 & 0.003677 \\
 191         33 & 0 & 0.000 & 0 & 0 & 0.002245 \\
 192         \hline
 193         合計 & 300 & 1 & 6045 & 5418.25 & 0.99628 \\
 194         \hline
 195     \end{tabular}
 196 \end{table}
 197 
 198 計数値の平均値 $\overline{N}$$\overline{N} = 20.15$、 標準偏差$\sigma$$ \sigma = 4.25$ となった。
 199 
 200 横軸に計数値 $N$、 縦軸に計数値 $N$ の出現確率 $n_N / \sum n_N $ をとって棒グラフに合わしたものをレポート末尾に添付した。
 201 またポアッソン分布から各係数値 $N$ に対する確率 $P(N)$ を計算し、 その値を棒グラフに大きめのバツ印で書き込んだ。
 202 
 203 \clearpage
 204 
 205 総回数 300 回、 ゲート時間 1 秒、 線源の位置 120 mm としたときの測定結果は次の表のようになった。
 206 
 207 \begin{table}[htb]
 208     \centering
 209     \caption{セシウム137の計数値の分布の実験データ3}
 210     \begin{tabular}{cccccc} \\
 211         \hline
 212         計数値 & 出現回数 & 出現確率 & 計数値と $n_N$ の積 & 2乗偏差と$n_N$ の積 & ポアッソン分布 \\
 213         $N$    & $n_N$    & $n_N/\sum n_N$& $n_N N$     & $n_N (N-\overline{N})^2$ & $P(N)$ \\
 214         \hline
 215         0 & 2 & 0.006 & 0 & 46.92 & 0.007876 \\
 216         1 & 16 & 0.051 & 16 & 236.40 & 0.038153 \\
 217         2 & 28 & 0.093 & 56 & 226.45 & 0.092404 \\
 218         3 & 42 & 0.139 & 126 & 142.79 & 0.149197 \\
 219         4 & 52 & 0.172 & 208 & 37.02 & 0.180673 \\
 220         5 & 51 & 0.169 & 255 & 1.24 & 0.175030 \\
 221         6 & 46 & 0.152 & 276 & 61.48 & 0.141304 \\
 222         7 & 22 & 0.073 & 154 & 102.27 & 0.097779 \\
 223         8 & 21 & 0.069 & 168 & 209.18 & 0.059203 \\
 224         9 & 14 & 0.046 & 126 & 241.82 & 0.031863 \\
 225         10 & 5 & 0.016 & 50 & 132.92 & 0.015434 \\
 226         11 & 1 & 0.003 & 11 & 37.89 & 0.006796 \\
 227         12 & 1 & 0.003 & 12 & 51.21 & 0.002743 \\
 228         13 & 0 & 0.000 & 0 & 0 & 0.001022 \\
 229         \hline
 230         合計 & 301 & 1 & 1458 & 1527.66 & 0.9994 \\
 231         \hline
 232     \end{tabular}
 233 \end{table}
 234 
 235 計数値の平均値 $\overline{N}$$\overline{N} = 4.84$、 標準偏差$\sigma$$ \sigma = 2.25$ となった。
 236 
 237 横軸に計数値 $N$、 縦軸に計数値 $N$ の出現確率 $n_N / \sum n_N $ をとって棒グラフに合わしたものをレポート末尾に添付した。
 238 またポアッソン分布から各係数値 $N$ に対する確率 $P(N)$ を計算し、 その値を棒グラフに大きめのバツ印で書き込んだ。
 239 
 240 \clearpage
 241 
 242 総回数 300 回、 ゲート時間 1 秒、 線源の位置 80 mm としたときの測定結果は次の表のようになった。
 243 
 244 \begin{table}[htb]
 245     \centering
 246     \caption{セシウム137の計数値の分布の実験データ4}
 247     \begin{tabular}{cccccc} \\
 248         \hline
 249         計数値 & 出現回数 & 出現確率 & 計数値と $n_N$ の積 & 2乗偏差と$n_N$ の積 & ポアッソン分布 \\
 250         $N$    & $n_N$    & $n_N/\sum n_N$& $n_N N$     & $n_N (N-\overline{N})^2$ & $P(N)$ \\
 251         \hline
 252 	3 & 4 & 0.012 & 12 & 295.39 & 0.002395 \\
 253 	4 & 4 & 0.012& 16 & 230.64 & 0.006944 \\
 254 	5 & 6 & 0.019 & 30 & 260.84 & 0.01610 \\
 255 	6 & 12 & 0.038 & 72 & 375.45 & 0.031113 \\
 256 	7 & 16 & 0.051 & 112 & 337.61 & 0.051531 \\
 257 	8 & 18 & 0.058 & 144 & 232.44 & 0.0746786 \\
 258 	9 & 34 & 0.109 & 306 & 228.70 & 0.096198 \\
 259 	10 & 36 & 0.116 & 360 & 91.41 & 0.111528 \\
 260 	11 & 36 & 0.116 & 396 & 12.68 & 0.117546 \\
 261 	12 & 24 & 0.077 & 288 & 3.96 & 0.113565 \\
 262 	13 & 32 & 0.103 & 416 & 63.29 & 0.101278 \\
 263 	14 & 25 & 0.080 & 350 & 144.77 & 0.083870 \\	
 264 	15 & 20 & 0.064 & 300 & 232.07 & 0.064823 \\
 265 	16 & 13 & 0.041 & 208 & 252.41 & 0.046970 \\
 266 	17 & 7 & 0.022 & 119 & 204.60 & 0.032032 \\
 267 	18 & 6 & 0.019 & 108 & 246.25& 0.020631 \\
 268 	19 & 3 & 0.009 & 57 & 164.56 & 0.012589 \\
 269 	20 & 3 & 0.009 & 60 & 212.00 & 0.007297 \\
 270 	21 & 2 & 0.006 & 42 & 176.96 & 0.004028 \\
 271 	22 & 9 & 0.029 & 198 & 974.64 & 0.002123 \\
 272         \hline
 273         合計 & 310 & 1 & 3594 & 4740.78 & 0.9978 \\
 274         \hline
 275     \end{tabular}
 276 \end{table}
 277 
 278 計数値の平均値 $\overline{N}$$\overline{N} = 11.59$、 標準偏差$\sigma$$ \sigma = 3.19$ となった。
 279 
 280 横軸に計数値 $N$、 縦軸に計数値 $N$ の出現確率 $n_N / \sum n_N $ をとって棒グラフに合わしたものをレポート末尾に添付した。
 281 またポアッソン分布から各係数値 $N$ に対する確率 $P(N)$ を計算し、 その値を棒グラフに大きめのバツ印で書き込んだ。
 282 
 283 \subsection{β線の吸収の測定}
 284 
 285 1 mm の Al 板により $\beta$ 線を遮断したときの計数値 $N^{\prime}$ の平均値 $\overline{N^{\prime}} $
 286 
 287 \[\overline{N^{\prime}} = (129 + 136 + 120 + 155 + 144) / 5 = 136.8 \]
 288 
 289 となった。 $N^{\prime}$ は 自然計数 $N_0$ と 計数値 $N_\gamma$ の和である。
 290 
 291 \subsubsection{Ti による $\beta$ 線の吸収}
 292 
 293 Ti の薄板 1 枚の厚さの平均値 $\overline{d_a}$ は、 $0.20 \ \mathrm{mm}$であった。
 294 
 295 
 296 $\beta$ 線の計数値の平均値 $\overline{N}_\beta$$\overline{N}_\beta = \overline{N} - \overline{N^{\prime}}$ として求めた。
 297 
 298 また $\overline{N}_\beta$ の標準偏差 $\sigma_\beta$ は次式から求めた。 $n$ は各測定の繰り返し回数である。
 299 
 300 \[ \sigma_\beta = \sqrt{ \frac{\overline{N} + \overline{N^{\prime}}}{n} } \]
 301 
 302 Ti の薄板を 1 枚ずつ入れて各枚数に対して計数値 $N$ を測定した結果を次の表にまとめた。
 303 
 304 試料金属 : Ti、 $\beta$ 線源の位置 : 80 mm、 金属板の位置 : 30 mm
 305 
 306 測定回数 : 3 回、 $\beta$ 線を遮断したときの計数値 : 136.8
 307 
 308 \begin{table}[htb]
 309     \centering
 310     \caption{Ti による $\beta$ 線の吸収の実験データ}
 311     \begin{tabular}{|c|c|c|c|c|c|c|}
 312         \hline
 313         枚数 & 厚さ  & 1分間の計数値 & 平均値 & $ \beta$ 線計数値 & $ \beta$ 線計数値の対数 & 標準偏差 \\
 314         & /mm & $N$ &  $\overline{N}$ & $\overline{N}_\beta$ & $\log_{10} \overline{N}_\beta$& $\sigma_\beta$\\
 315         \hline
 316 	1 & 0.20 & 449、482、481 & 470.6 & 333.86 &2.5235 & 14.229  \\
 317 	2 & 0.40 &388、499、392 & 426.3 & 289.53 & 2.4616& 13.700 \\
 318 	3 & 0.60 &343、356、317 & 338.6 & 201.86 & 2.3050 & 12.589 \\
 319 	4 & 0.80 &288、296、289 & 291 & 154.2 & 2.1880& 2.188   \\
 320 	5 & 1.00 &261、242、249 & 250.6 & 113.86 & 2.0563 & 11.364 \\
 321 	6 & 1,20 &213、227、267 & 235.6 & 98.86 & 1.9950 & 11.142  \\
 322 	\hline
 323     \end{tabular}
 324 \end{table}
 325 
 326 グラフの横軸にチタン板の厚さ $x$ を、 縦軸に計数値の対数 $\overline{N_\beta}$ をとりグラフを作成しレポート末尾に添付した。
 327 グラフの傾きからチタンの線吸収係数 $\mu$ を求めるとその値は
 328 
 329 \[ \mu = - \frac{2.4616 - 2.4150}{1.00} = 0.5285 \ \mathrm{mm^{-1} }\cong 52.9 \ \mathrm{cm^{-1}} \]
 330 
 331 またグラフから決定される定数 $\delta X = 0.0881 \times \ \mathrm{mm}\delta Y = 0.00466 $を用いてチタンの線吸収係数 $\mu$ の不確かさ $\Delta \mu$ は以下のように求められる
 332 
 333 \[ 
 334 \Delta \mu = 0.5285 \times \sqrt{ (\frac{0.0881}{1})^2 +(\frac{0.00466}{0.5285})^2 } = 0.04679..  \cong 0.047 \ \mathrm{mm^{-1}}  = 4.7 \ \mathrm{cm^{-1}}
 335 \]
 336 質量吸収係数は線吸収係数 $\mu$ を密度 $\rho$ で割ることで得られる。 チタンの質量吸収係数を $\mu_m$ とするとその値は
 337 
 338 \[ \mu_m = \frac{52.9 \pm 4.7}{4.507} = 11.7 \pm 1.0 \ \mathrm{cm^2/g} \]
 339 
 340 と計算できた。
 341 
 342 \subsubsection{Cu による $\beta$ 線の吸収}
 343 
 344 Cu の薄板 1 枚の厚さの平均値 $\overline{d_c}$ は、 $0.31 \ \mathrm{mm}$であった。
 345 
 346 Cu の薄板を 1 枚ずつ入れて各枚数に対して計数値 $N$ を測定した結果を次の表にまとめた。
 347 
 348 試料金属 : Cu、 $\beta$ 線源の位置 : 80 mm、 金属板の位置 : 30 mm
 349 
 350 測定回数 : 3 回、 $\beta$ 線を遮断したときの計数値 : 136.8
 351 
 352 \begin{table}[htb]
 353     \centering
 354     \caption{Cu による $\beta$ 線の吸収の実験データ}
 355     \begin{tabular}{|c|c|c|c|c|c|c|}
 356         \hline
 357         枚数 & 厚さ  & 1分間の計数値 & 平均値 & $ \beta$ 線計数値& $\beta$ 線計数値の対数 & 標準偏差 \\
 358         & /mm & $N$ &  $\overline{N}$ & $\overline{N}_\beta$ & $\log_{10} \overline{N}_\beta$& $\sigma_\beta$\\
 359         \hline
 360 	1 &0.31& 309、315、326 & 316.6 & 179.86& 2.2549 & 12.294 \\
 361 	2 &0.62& 230、230、198 & 219.3 & 82.53 & 1.9166 &10.895 \\
 362 	3 &0.93& 177、157、175 & 169.67 & 32.86 & 1.5167& 10.107 \\
 363 	4 &1.24& 160、175、160 & 165 & 28.2 & 1.45024 & 10.029 \\
 364         \hline
 365     \end{tabular}
 366 \end{table}
 367 
 368 グラフの横軸に銅板の厚さ $x$ を、 縦軸に計数値 $\overline{N_\beta}$ をとりグラフを作成しレポート末尾に添付した。
 369 グラフの傾きから銅の線吸収係数 $\mu$ を求めるとその値は
 370 
 371 \[ \mu = - \frac{2.2549 - 1.4502}{0.93} = 0.8652... \ \mathrm{mm^{-1} }\cong 86.5 \ \mathrm{cm^{-1}} \]
 372 
 373 またグラフから決定される定数 $\delta X = 0.0617 \times \ \mathrm{mm}\delta Y = 0.0534 $を用いて銅の線吸収係数 $\mu$ の不確かさ $\Delta \mu$ は以下のように求められる
 374 
 375 \[ 
 376 \Delta \mu = 0.8652 \times \sqrt{ (\frac{0.0617}{0.93})^2 +(\frac{0.0534}{0.8047})^2 } = 0.08118..  \cong 0.0812 \ \mathrm{mm^{-1}}  = 8.12 \ \mathrm{cm^{-1}}
 377 \]
 378 
 379 銅の質量吸収係数を $\mu_m$ とするとその値は
 380 
 381 \[ \mu_m = \frac{86.5 \pm 8.12}{8.96} = 9.65 \pm 0.90 \ \mathrm{cm^2/g} \]
 382 
 383 と計算できた。
 384 
 385 \section{考察}
 386 
 387 \subsection{自然計数の測定}
 388 
 389 実験結果から放射線源が近くになくてっも天然には微量の放射線が存在することが分かった。
 390 ただ、線源の保管場所が壁を隔てた案外近い場所にあったので、それも少なからず影響していると思う。
 391 
 392 \subsection{β線の計数値の分布の観測}
 393 
 394 総回数 100 回 と 300 回の 3 つの測定データにおける計数値の平均の平方根と標準偏差の差は300回のもののほうが小さい値であった。このことより、回数を重ねることで測定の精度が改善されているといえる。
 395 得られた測定データにおける各計数値の出現確率はポアッソン分布に近いものとなっていた。
 396 しかし、それでもなお外れ値や飛んだ値が存在していた。
 397 
 398 \subsection{β線の吸収の測定}
 399 
 400 測定によって得られた質量吸収係数 $\mu_m$の値は、 チタンでは $\mu_m = 11.7 \pm 1.0 \ \mathrm{cm^2/g}$
 401 銅では $\mu_m$の値は、$\mu_m = 9.65 \pm 0.90 \ \mathrm{cm^2/g} $ であり、
 402 チタンのほうが大きな値であった。
 403 
 404 \section{参考文献}
 405 \begin{itemize}
 406     \item 基礎科学実験A (物理学実験) 平成29年度版
 407 \end{itemize}
 408 
 409 \clearpage
 410 \begin{figure}[ptbh]
 411 \includegraphics[width=8cm]{Document_20191221_0001.eps}
 412 \includegraphics[width=8cm]{Document_20191221_0002.eps}
 413 \end{figure}
 414 
 415 \clearpage
 416 \begin{figure}[ptbh]
 417 \includegraphics[width=8cm]{Document_20191221_0003.eps}
 418 \includegraphics[width=8cm]{Document_20191221_0004.eps}
 419 \end{figure}
 420 \clearpage
 421 \begin{figure}[ptbh]
 422 \includegraphics[width=8cm]{Document_20191221_0005.eps}
 423 \includegraphics[width=8cm]{Document_20191221_0006.eps}
 424 \end{figure}
 425 \clearpage
 426 \begin{figure}[ptbh]
 427 \includegraphics[width=8cm]{Document_20191221_0007.eps}
 428 \end{figure}
 429 
 430 \end{document}

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