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   1 \documentclass[11pt,a4paper]{jsarticle}
   2 \usepackage[dvipdfmx]{graphicx}
   3 \begin{document}
   4 \pagestyle{empty}
   5 % \title{}
   6 % \author{}
   7 % \date{年月日}
   8 
   9 % \maketitle
  10 
  11 \section{目的}
  12 エアトラック所における物体の直線運動を観測して、わずかに存在する空気抵抗を求める。
  13 また他物体との衝突を観測して力学的な考察を定量的に行う。
  14 
  15 \section{原理}
  16 一直線上を滑走する物体の運動は、その減速の原因として(1)摩擦(係数μ)(2)速度に比例する空気の粘性抵抗(係数λ)(3)速度の二乗に比例する空気の慣性抵抗、を考えると、次の運動方程式で記述される。
  17 \(m dv/dt = -μmgcosθ-λv-Kv~2\pm mgsinθ\) (11,1)
  18 ここでmは滑走体の質量、gは重力加速度、$\theta$は水平からの直線の傾き角、$\mp$の+は滑走体が下るとき、-は上るときに相当する。
  19 この実験では以下に述べるような方法を用いて滑走体の運動を解析し、μ、λ、Kを決定する。
  20 
  21 \subsection{平均速度と平均加速度}
  22 滑走体がある地点を通過する速度をv\_1、そこから距離sだけ離れた地点を通過する速度をv\_2とすると、両所感の平均の速度$\overline{}$と減速の平均の加速度$\overline{a}$は、それぞれ
  23 \(\overline{v} = \frac {v_1 + v_2}{2} \overline{a} = \frac {v_1^2 -v_2^2}{2s} \) 
  24 である。 
  25 (11,1)式によると次の関係式が成り立つ。
  26 \(\overline{a]}= μgcosθ+λ/m \overline{v} + K/m \overline{v}^2 \mp gsinθ\)
  27 この式の両辺をgで割ると、
  28 \(\overline{a}/g = μcosθ+ (λ/mg) \overline{v} + (K/mg) \overline{v}^2 \mp sinθ\) (11,2)
  29 これを$\overline{a}/g$を縦軸、$\overline{v}$を横軸にとってグラフを書くと、グラフの形は放物線である。
  30 もしも摩擦がなければ、水平の場合(θ= 0)には放物線は原点を通る。滑走台が微小角θだけ傾いている場合、滑走する方向によって上qり坂か下り坂になるため、グラフは上下に$\sin \theta \approx \theta$ずれた放物線になる。
  31 
  32 \subsection{λ,Kの決定}
  33 一般にエアトラックではよい近似でμ=0なので、滑走台が水平の場合は滑走台での運動は次の式で近似できる。
  34 \(\overline{a} = λ/m \overline{v} = K/m \overline{v}^2\)
  35 この式の両辺を$\overline{v}$で割ると
  36 \(\overline{a}/\overline{v} = λ/m + K/m\overline{v}\) (11,3)
  37 $\overline{a}/\overline{v}$を縦軸に、$\overline{v}$を横軸にとってグラフを書くと、(11,3)式はλ/mを切片とし、K/mを勾配とする直線となる。
  38 \subsection{反発係数}
  39 滑走体が水平な滑走台の端に衝突して反発する前後の速さv,Vを測って衝突用板バネとの反発係数εを求める。端から距離dのところで衝突前の速さvを測り、端から距離Dのところで衝突後の速度Vを測るものとすると、反発係数は次の式で計算される。
  40 \(ε= {V+D(λ +KV)/m}/{v-d(λ+Kv)/m} \)(11,4)
  41 
  42 \section{実験方法}
  43 
  44 以下のような手順で実験を行った。
  45 \subsection{実験準備}
  46 \begin{itemize}
  47 \item 滑走体の速度を計測するために、発光ダイオードとフォトトランジスタによる検出素子がついたスタンドが二つある。これらのスタンドを80cmから1m離して滑走台と直角になるようにセットする。また、検出素子と滑走体が接触しないようにする。
  48 \item 左右のカウンタの電源をいれ、滑走体が通過する時間が表示されるのを確認する。
  49 \item 滑走台や滑走体に付着しているごみをアルコールを浸したティッシュでふき取る。
  50 \item 滑走台左端にあるリングを用い、滑走台との隙間が左右で等しくなるように調整し、滑走台と直角な方向についての水平を取る。
  51 \item 送風機を起動して滑走台に空気を送る。
  52 \item 滑走体を滑走台に置き、二つのスタンドの間を行き来するように滑走方向の水平を取る。
  53 \end{itemize}
  54 \subsection{滑走速度の測定}
  55 滑走体についている羽の長さ$\Delta s$と二つの検出素子の間の距離$s$を測定する。 滑走体を左右に走らせて、距離$s$だけ離れた2点において羽が通過する時間$\Delta t_1\Delta t_2 $でも測定し、速度$v_1 v_2$を求めた。
  56 また、速度や時間、平均速度、平均加速度などは表にまとめることにした。
  57 
  58 \subsection {滑走台の水平調整}
  59 得られたデータを計算し、縦軸が$\frac {\overline{a}}{g}$、横軸が$\overline{v}$のグラフを左右向きそれぞれで作成して、二つのグラフの上下の差の半分$2\sin \approx 2\theta$により、滑走台の傾きを求める。
  60 まず滑走台の両足の間隔$L$を測定し、滑走台を水平にするのに台をどれだけ高く(または低く)するのかを計算する。その数値と調整ねじのピッチから、何度回せばいいのかを計算する。
  61 水平調整を行わなければならないかどうかは、描いたグラフから判断することにした。
  62 
  63 \clearpage
  64 
  65 \section{実験結果}
  66 実験結果の表は以下のようになった。
  67 右向き
  68 \begin{table}[htb]
  69 \begin{tabular}{cccccccc}
  70 $\delta t_1$ & $ \delta t_2$ & $v_1$ & $v_2$ & $\overline{v}$ & $\overline{a}$ & $ \frac{\overline{a}}{g} $ & $ \frac{\overline{a}}{\overline{v}} $\cr
  71 \hline
  72 55.78 & 56.42 & 107.57 & 106.35 &106.96 & 1.578 & 0.161& 0.0148 \cr
  73 77.74 & 79.68 & 75.18 & 75.87 & 76.53 & 1.212 & 0.124& 0.0158 \cr
  74 92.64 & 94.27 & 64.77 & 63.65 & 64.21 &  0.8696 & 0.0887 & 0.0135 \cr 
  75 139.88 & 143.69 & 42.89 & 41.76 & 42.33 & 0.5783 & 0.0590 & 0.0137 \cr
  76 178.48 & 182.99 & 33.62 & 32.79 & 33.21 & 0.3332 & 0.0340 & 0.0100 \cr
  77 235.90 & 242.28 & 25.43 & 24.76 & 25.10 & 0.2035 & 0.0208 & 0.0081 \cr
  78 \end{tabular}
  79 \end{table}
  80 
  81 左向き
  82 \begin{table}[htb]
  83 \begin{tabular}{cccccccc}
  84 $\delta t_1$ & $ \delta t_2$ & $v_1$ & $v_2$ & $\overline{v}$ & $\overline{a}$ & $ \frac{\overline{a}}{g} $ & $ \frac{\overline{a}}{\overline{v}} $\cr
  85 \hline
  86 53.44 & 55.95 & 111.86 & 107.24 & 109.55 & 6,120 & 0.624 & 0.0559 \cr
  87 82.48 & 86.91 & 72.75 & 69.04 & 70.90 & 3.180 & 0.324 & 0.0489 \cr
  88 98.51 & 104.52 & 60.91 & 57.41 & 59.16 & 2.504 & 0.256 & 0.0423 \cr
  89 134.86 & 145.77 & 44.49 & 41.16 & 42.83 & 1.724 & 0.176 & 0.0403 \cr
  90 171.13 & 188.63 & 35.01 & 31.81 & 33.41 & 1.293 & 0.132 & 0.0387 \cr
  91 233.56 & 269.53 & 25.69 & 22.26 & 23.98 & 0.994 & 0.101 & 0.0417 \cr
  92 \end{tabular}
  93 \end{table}
  94 
  95 また、滑走体の重量は40.8g、滑走体の接地面積は$67.9cm^2$、滑走体正面の表面積は$3.50cm^2$であった。
  96 
  97 また、(11,2)式に基づいたグラフを図1、水平調整に用いたグラフを図2として添付している。
  98 課題1,1:図1と(11,2)式によると、$\frac{λ}{m} = 0.067$$\frac{K}{m} = 1.176 * 10^4$なので、$λ = 2.73 、K = 0.0048$という値が求まった。
  99 課題1,2:初速は$v$ = 100cm、$t$= 0 のとき$x$ = 0であるので、セクション4にある式を変形すると、
 100 \(\frac{dx}{dt} = \frac{- λ}{m} $v$ - \frac{K}{m} v^2 \)
 101 なので、この式を解くと、
 102 \( x = \frac{m}{K}*\log _frac{ λ + 100*K}{ λ } \)
 103 となるので、求まった値を代入して計算すると、
 104 \( 42.5 / 0.005 * log \frac{2.73 + 0.0048 *100}{2.73} = 597.91\)
 105 よって、5.97mの距離を動くと推測できる。
 106 課題1.3:参考文献として用いた理科年表では、空気の粘性率は20度で$17.3*10^-6$あり、50度で$19.6*10^-6$であるため、
 107 この場合は20度の方の数値を利用すると、教科書の計算式から、
 108 \($d$ = \frac{17.3 * 10^-6 * 67.9}{2.73} = 4.3 * 10^-4\)
 109  と求められた。
 110 
 111 また、この先のデータは時間が足りず、データをとれなかったために計算できなかった。
 112 \section{考察}
 113 まず最初に、この実験には参照できる実測値がないため、この求まった値が正常なのかを判定することができない。
 114 そのうえで、今回の実験がうまくいったのかどうかを考える。
 115 書きあがったグラフはどちらもテキストの図と同じ形になり、また多少の外れ値こそあれ大きくずれた値や、明らかにおかしな値はなく、また滑走体が外れたりもしなかったため、自信はないが実験は成功したといえる。
 116 しかし、授業中にトラブルがあって実験開始が遅れたとはいえ、いくつかのデータを取り損ねていたり、あと少しで実験の手順を無視するところであったりと反省する部分が多かった。
 117 次回の実験では十全な準備をしたうえで臨みたい。
 118 
 119 \section{参考文献}
 120 
 121 \begin{itemize}
 122     \item 基礎科学実験A(物理学実験) 2019年版
 123     \item 理科年表 平成31年度版
 124 \end{itemize}
 125 
 126 \clearpage
 127 \begin{figure}[ptbh]
 128 \includegraphics[width=7.0cm]{zu_1.jpg}
 129 \includegraphics[width=7.0cm]{zu_2.jpg}
 130 \end{figure}
 131 
 132 \end{document}

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