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miturin_217/Tex_kousyu

MMA

LaTeX講習

今回は一年生のコンピュータリテラシーの授業でも学習するLaTeXについてまとめました。 実際に基礎科学実験のレポートなどで使っていただけるようにまとめたつもりです。


LaTeXとはなんぞや?

LaTeXとは文章整形システムで、報告書や論文などの印刷物やPDFファイルを作成するための組成ソフトウェアです。 LaTeXを用いて文章を作る利点としては以下のことがあります。

逆にLaTeXの難点としては以下のことがあります。

将来的にLaTeXを使いこなすことができた方が良いので実験のレポートなどもLaTeXを使って書くことを推奨します。

ちなみにMMAの部誌もTeXで書かれています。


準備

今回はMMAのnestを用いて講習を行います。

nestへのログインの仕方は[[|こちら]]から

LaTeX環境はgoogle大先生にでも聞いて各自設定してください。


TeXファイルのコンパイル,PDFの生成

TeXファイルのコンパイルには platex, xdvi, dvipdfmx コマンドを使います。

  • $ platex [.texファイル]

platexコマンドを用いてTeXファイルからauxファイル, dviファイル, logファイルが生成できる。

dviファイルにはTeXファイルのコンパイルされた結果が出力されているのでこのファイルを用いて文章の見栄えを確認できる。

  • $ xdvi [.dviファイル]

xdviコマンド用いてdviファイルを開いて、文章の見栄えを確認できる。

TeXで文章を生成していく場合、一度のコンパイルではなかなか上手くいかないことが多くそのたびにxdviコマンドを打ち込んでいては非効率的な作業になってしまう。そこでxdviウィンドウをバックグラウンドで動作させておくと、コンパイル後ウィンドウをフォーカスすることで表示が更新されるのを利用する。

  • $ dvipdfmx [.dviファイル]

dvipdfmxコマンドを用いてdviファイルからpdfファイルを生成できる。


TeXファイルの構造について

TeXファイルは大きく3つのパーツに分けることができます。 サンプルプログラム(miturin_217/TeX_Kousyu/Sample1.tex)を見てみましょう。

   1  \documentclass[a4j,10pt]{jarticle} %文章クラス
   2  
   3  %プリアンブル
   4  \title{ Sample1 } 
   5  \author{ @Mitu217 }
   6  \date{ 201346日 }
   7  
   8  \begin{document} %document環境
   9  \maketitle
  10 
  11     本文
  12 
  13  \end{document}

   1  \documentclass[オプション]{jarticle}

文章クラスと呼ばれている部分。文章の種類を指定できる。今回は日本語の論文やレポートを表すjarticleを指定する。<<br>> オプションでは用紙サイズとフォントサイズを指定することができる。

   1  \begin{document}
   2   \maketitle
   3 
   4     本文
   5 
   6  \end{document}

document環境と呼ばれる部分。ここには文章の本文を書いていくことになります。 \maketitleは後述するプリアンブルの中で設定した氏名などを出力するコマンドです。

   1  \title{ Sample1 } 
   2 
   3  \author{ @Mitu217 } 
   4 
   5  \date{ 201346日 } 

文章クラスとdocument環境の間にあるプリアンブルと呼ばれる部分。ここでは表題,氏名などのタグを設定できるだけでなく、文章内で画像を挿入するためのパッケージを選択することができます。


LaTeXのコマンド

LaTeXは某wordとは違い、テキストデータ(.texファイル)にコマンドを記述し、それをLaTeXでコンパイルすることでPDFなどの文章を作成します。ですから、LaTeXを使いこなすにはコマンドを知っていなければなりません。 ここでは、コンピュータリテラシーの時間にやるような基本的なことに加えて知っておくと便利なコマンドもいくつか紹介しておきます。

最後には、復習用に課題をいくつか用意しておくので挑戦してみてください。


文章見出し

   1 \section{見出し1}
   2 
   3 \subsection{見出し2}

\section,\subsection


箇条書き

箇条書きには3つの種類があります

   1 \begin{itemize}
   2 \item 箇条書き1
   3 \item 箇条書き2
   4 \item 箇条書き3
   5 \end{itemize}

  • • 箇条書き1
    • 箇条書き2
    • 箇条書き3

「itemize」は頭に「 • 」がついた箇条書きのコマンドです。


   1 \begin{enumerate}
   2 \item 箇条書き1
   3 \item 箇条書き2
   4 \item 箇条書き3
   5 \end{enumerate}

  1. 箇条書き1

  2. 箇条書き2

  3. 箇条書き3

「enumerate」は頭に数字が振られている箇条書きのコマンドです。


   1 \begin{description}
   2 \item[テスト1] 箇条書き1
   3 \item[テスト2] 箇条書き2
   4 \item[テスト3] 箇条書き3
   5 \end{description}

  • テスト1 箇条書き1
    テスト2 箇条書き2
    テスト3 箇条書き3

「description」は頭につける記号をユーザー自身が[]内に指定することができます。


表組み

   1 \begin{tabular}{|l|c|r|}
   2 \hline
   3 セル1 & セル2 & セル3 \\ \hline
   4 セル4 & セル5 & セル6 \\ \hline
   5 セル7 & セル8 & セル9 \\ \hline
   6 \end{tabular} 

それぞれのコマンドについて解説していきます。

\begin{tabular}{|l|c|r|}

\hline

横方向のラインを表しています。

\\

改行を表しています &

セルの区切り目を表しています。

\end{tabular}

表組みを終わりのコマンドです。


\caption{タイトル}

\multicolumn{2}{|c|}{セル1}

\multicolumn{またがる列数}{文字寄せの設定}{セルの中身}

\cline{2-3},\cline{2-2}

\cline{罫線を引く最初のセルの列数-最後のセルの列数}


\begin{table}[htbp],\end{table}

\begin{tabular}{cc}

\begin{center}

\begin{minipage}{0.5\hsize}


数式

LaTeXのメインでもある数式のコマンドです。

さすがにこの場ですべてのコマンドを教えることはできないので、使いたいコマンドがあったらgoogle大先生に頼りましょう。

   1 \begin{equation}
   2 G_{-1}(x,y)=x^{n-1}+x^n-1
   3 
   4 W(D)&=&(I(D),(1+D)I(D)) \nonumber \\
   5 &=&I(D)[1,1+D] \nonumber \\
   6 &=&I(D)G(D)
   7 \end{equation} 
   8 
   9 \[
  10 x&=&a+b+c
  11 \]
  12 
  13 本文中にも数式を$ x&=&a+b+c $表示できます。
  14 

とりあえず基本的だと思われるものをいろいろ使って書いてみました。解説していきます。

\begin{equation} ~ \end{equation},\[ ~ \],$ ~ $

\begin{equation} ~ \end{equation}

改行して数式を表示、番号を振る

\[ ~ \]

改行して数式を表示、番号を振らない

$ ~ $

文章中に数式を表示する

_{ }, ^{ }

\nonumber

   1 \begin{equation}
   2 
   3 y=\frac{\sqrt[2]{1+x}}{1-x}
   4 
   5 \left(\frac{1+x}{1-x}\right) +(\frac{1-x}{1+x})
   6 
   7 c_{k,l}=\left\{ \begin{array}{ll}
   8 1[\mathrm{[m/s]}] & (l=k) \\
   9 \alpha & (|l-k|=1) \\
  10 0[\mathrm{[m/s]} & (上記以外) \\
  11 \end{array} \right.
  12 
  13 \end{eqnarray} 

\frac{\sqrt{1+x}}{1-x}

\frac{分子}{分母}

(n方根)

\sqrt[n]{ルートの中身}

\left(\frac{1+x}{1-x}+\frac{1-x}{1+x}\right)

c_{k,l}=\left\{ \begin{array}{ll}, \end{array} \right.

\mathrm

\alpha

画像の挿入

   1 %プリアンブル
   2 \usepackage{graphicx}
   3 
   4 %document環境
   5 \begin{figure}[htbp]
   6  \begin{center}
   7   \includegraphics[width=100mm]{figure1.eps}
   8  \end{center}
   9  \caption{図の説明}
  10 \end{figure}

\includegraphics[width=画像の横方向の大きさ]{画像のファイル名}

また、挿入した画像は.texファイルと同じディレクトリにおいてないと表示されないことにも注意しましょう。