添付ファイル '06.tex'
ダウンロード 1 \documentclass[11pt、a4paper]{jsarticle}
2 \usepackage[dvipdfmx]{graphicx}
3 \begin{document}
4 \pagestyle{empty}
5 % \title{}
6 % \author{}
7 % \date{年月日}
8
9 % \maketitle
10
11 \section{目的}
12
13 すべての物体は力を受けると変形する。
14 力の大きさがある範囲内にあるとき、力を取り去ると物体は元の形に戻る。
15 このような変形を弾性変形といい、 この実験では引っ張り応力に対する弾性変形(ひずみ)の係数であるヤング率を
16 3種類の材料について測定する。
17
18 \section{原理}
19
20 \subsection{ヤング率}
21
22 棒に力をかけて引っ張ると棒は伸びる。
23 断面積 $S$ の棒に力 $F$ をかけて引っ張ったとき、棒の長さ $l$ から $\Delta l$だけ伸びたとする。
24 伸びの割合 $ \epsilon = \Delta l / l $ をひずみという。
25
26 ひずみの大きさを決めるのは単位断面積あたりに働く力の大きさ $ \sigma = F / S $ であり $ \sigma = E \epsilon$
27 と表すとき、 比例定数 $E$ をヤング率という。ヤング率の大きな材料ほど伸ばすのに大きな力を要することになる。
28
29 \subsection{実験の原理}
30
31 金属棒の中点に鉛直方向に力を加えると棒は湾曲する。
32 このような変形を "たわみ" という。
33
34 縦 a、 横 b の長方形を断面として有する棒を間隔 $l$ の2つのナイフエッジで支え、
35 その中点に力 $mg$ を加えたとき、 たわみによる中点の降下量 $h$ は次式で表される。
36
37 \[ h = \frac{l^3}{4a^3bE} mg \]
38
39 ここで $E$ が棒の材料のヤング率である。 降下量の値は微小であるので光の梃子(鏡M、レーザーL、およびスケールSより構成される)を用いて拡大して観測する。
40
41 たわみによる鏡の傾き角を $\theta$、 鏡台の脚間の有効距離を $r$ とすると次式が成り立つ。
42
43 \[ h = r\sin\theta \cong r\theta \]
44
45 鏡で反射したレーザー光線は入射光線と角度 $ 2\theta $ 傾く。 微小角の近似を使うと
46 荷重をかける前後のスケールの読み $ S_0 $、 $ S $ の差は
47
48 \[ S - S_0 = d \tan (2\theta) \cong 2d \theta \]
49
50 $d$ は鏡とスケール間の距離である。 したがって
51
52 \[ h = r\theta = r \frac{S - S_0}{2d} \]
53
54 の関係が成り立ち。 ヤング率 $E$ は次式で計算できる。
55
56 \begin{equation}
57 E = \frac{g}{2} \frac{l^3d}{a^3br} \frac{m}{S - S_0}
58 \end{equation}
59
60 \section{実験方法}
61
62 以下のような手順で実験を行った。
63
64 \begin{itemize}
65 \item ナイフエッジの上に支持棒を奥に測定棒を手前にして間隔 2cm 程度で並べて載せた。
66 \item 鏡の前脚に荷重を載せるハンガーをつけ、 これを測定棒の上、 ナイフエッジの中点にセットした。
67 \item レーザーを鏡と同じ高さにして、 レーザー光線が鏡の中央に当たるようにレーザーの傾きを調整した。
68 \item 荷重をかけない状態で鏡で反射したレーザー光線がレーザーとほぼ同じ高さでスケールに
69 当たるように鏡の向きと傾きを調整した。
70 \item おもりの質量を天秤で 1 個ずつ測定した。
71 \item おもりを載せていないときのスケールの目盛りを読み実験ノートに記録した。
72 おもりを1個ずつ載せるたびにスケールの目盛りを読み取り、6個載せ終わったら
73 おもりを1個ずつ外していきその都度スケールの目盛りを読み取った。
74 \item アルミ・ジュラルミン・炭素繊維強化プラスチックの 3 種類の試料に対してこの操作を 2 往復ずつ行った。
75 \item 測定棒の厚さ a、 幅 b をマイクロメータを使って、 ナイフエッジの間隔 l、 鏡 とスケールの間の距離 d、 鏡の前後の
76 脚の間隔 r、 を金尺を用いてそれぞれ測った。
77 \end{itemize}
78
79 \section{結果}
80
81 おもりの質量の測定値は次のようになった。
82
83 \begin{table}[htb]
84 \centering
85 \caption{おもりの質量}
86 \begin{tabular}{cc} \\
87 \hline
88 おもり番号 & 質量 $ m /\mathrm{g} $ \\
89 \hline
90 1 & 200.8 \\
91 2 & 201.4 \\
92 3 & 201.0 \\
93 4 & 201.8 \\
94 5 & 201.8 \\
95 6 & 201.2 \\
96 \hline
97 \end{tabular}
98 \end{table}
99
100 また鏡台の脚間の有効距離の測定値 $r$ は $ r = 34.5 \ \mathrm{mm}$ となった。
101 この値は全ての試料について共通である。
102
103 \subsection{アルミの測定}
104
105 アルミのたわみの測定値は次の表に示す通りとなった。
106
107 また重りの質量 $m$ を縦軸にスケールの目盛りの読み $S$ を横軸にとりプロットしたグラフをレポート末尾に添付した。
108
109 グラフの勾配より $\Delta m / \Delta S = \frac{1006.0}{3.15} = 319.37 \ \mathrm{g \cdot mm^{-1}}$ と求められた。
110
111 また、 グラフの勾配の不確かさを $ \Delta (\Delta m / \Delta S) $ とするとその値はグラフから決定される値
112 $\delta X = 0.3 \ \mathrm{mm}、 \delta Y = 95.811 \ \mathrm{g}$ を用いて、
113
114 \[
115 \Delta (\Delta m / \Delta S)
116 = 319.37 \times \sqrt{(\frac{\delta Y}{1207.2})^2 + (\frac{\delta X}{3.85})^2 }
117 = 35.522... \mathrm{g \cdot mm^{-1}}
118 \]
119
120 と求められた。
121
122 \begin{table}[htb]
123 \centering
124 \caption{アルミのたわみ}
125 \begin{tabular}{ccc} \\
126 \hline
127 質量 $ m /\mathrm{g} $ & スケール (1往復) $ S /\mathrm{mm} $ & スケール (2往復) $ S /\mathrm{mm} $ \\
128 \hline
129 0 & 163.6 & 163.6 \\
130 200.8 & 164.2 & 164.4 \\
131 402.2 & 164.5 & 164.5 \\
132 603.2 & 165.4 & 165.4 \\
133 805.5 & 166.0 & 165.4 \\
134 1006.0 & 166.6 & 165.7 \\
135 1201.2 & 167.4 & 166.5 \\
136 1006.2 & 167.0 & 167.3 \\
137 855.5 & 166.0 & 166.2 \\
138 603.2 & 165.6 & 165.5 \\
139 402.2 & 165.1 & 164.5 \\
140 200.8 & 164.4& 164.4 \\
141 0 & 163.5 & 163.5 \\
142 \hline
143 \end{tabular}
144 \end{table}
145
146 アルミの長方形断面の縦の長さ $a$、 横の長さ $b$、 棒の間隔 $l$、 鏡とスケール間の距離 $d$ の測定値は次の表に示す通りとなった。
147
148 \begin{table}[htb]
149 \centering
150 \caption{アルミのヤング率の計算に用いる長さの測定値}
151 \begin{tabular}{cccc}
152 \hline
153 $a / \mathrm{mm} $ & $b / \mathrm{mm} $ & $ l / \mathrm{mm}$ & $ d / \mathrm{mm}$ \\
154 \hline
155 12.021 & 20.380 & 401.0 & 876.3 \\
156 \hline
157 \end{tabular}
158 \end{table}
159
160 またそれぞれの値の不確かさは次の表に示す通りとなった。
161
162 \begin{table}[htb]
163 \centering
164 \caption{アルミのヤング率の計算に用いる長さの不確かさ}
165 \begin{tabular}{cccc}
166 \hline
167 $\Delta a / \mathrm{mm} $ & $\Delta b / \mathrm{mm} $ & $ \Delta l / \mathrm{mm}$ & $ d / \mathrm{mm}$ \\
168 \hline
169 0.002 & 0.002 & 0.5 & 0.5 \\
170 \hline
171 \end{tabular}
172 \end{table}
173
174 \begin{itemize}
175 \item アルミのヤング率の計算値
176 \end{itemize}
177
178 アルミのヤング率を $E_a$ とすると (1) 式の $m/(S-S_0) $ にグラフの勾配より求めた値 $\Delta m / \Delta S$ を使用することで次のように求められる。
179
180 \[ E_a = \frac{9.7978}{2} \times \frac{(401.0 )^3 \times 876.3}{(12.021)^3 \times 20.380 \times 34.5 } \times \frac{1006.0}{3.15} \]
181
182 \[ = 709.65181 \ \mathrm{g \cdot mm^{-1} \cdot s^{-2}}\]
183 \[ = 709.65181\times 10^7\ \mathrm{kg \cdot m^{-1} \cdot s^{-2}} \]
184
185 アルミのヤング率の不確かさを $ \Delta E_a $ とすると
186
187 \[ \Delta E_a = E_a \times \sqrt{(\frac{3\times 0.002}{12.021})^2 + (\frac{0.002}{20.380})^2 + (\frac{0.5}{876.3})^2 + (\frac{3 \times 0.5}{401.0})^2 + (\frac{0.5}{34.5})^2 + (\frac{35.52}{319.37})^2 } \]
188
189 \[ = 79.640117 \times 10^7 \ \mathrm{kg \cdot m^{-1} \cdot s^{-2}} \]
190
191 よって、 アルミのヤング率 $ E_a $ は
192
193 \[ E_a = (71 \pm 8) \times 10^9 \ \mathrm{kg \cdot m^{-1} \cdot s^{-2}} \]
194
195 と求められた。
196
197 \clearpage
198
199 \subsection{ジュラルミンの測定}
200
201 ジュラルミンのたわみの測定値は次の表に示す通りとなった。
202
203 また重りの質量 $m$ を縦軸にスケールの目盛りの読み $S$ を横軸にとりプロットしたグラフをレポート末尾に添付した。
204
205 グラフの勾配より $\Delta m / \Delta S = \frac{1107.2}{13.15} = 91.802 \ \mathrm{g \cdot mm^{-1}}$ と求められた。
206
207 また、 グラフの勾配の不確かさを $ \Delta (\Delta m / \Delta S) $ とするとその値はグラフから決定される値
208 $\delta X = 0.15 \ \mathrm{mm}、 \delta Y = 13.77 \ \mathrm{g}$ を用いて、
209
210 \[
211 \Delta (\Delta m / \Delta S)
212 = 91.802 \times \sqrt{(\frac{\delta Y}{1207.2})^2 + (\frac{\delta X}{13.15})^2 }
213 = 13.866... \ \mathrm{g \cdot mm^{-1}}
214 \]
215
216 と求められた。
217
218 \begin{table}[htb]
219 \centering
220 \caption{ジュラルミンのたわみ}
221 \begin{tabular}{ccc} \\
222 \hline
223 質量 $ m /\mathrm{g} $ & スケール (1往復) $ S /\mathrm{mm} $ & スケール (2往復) $ S /\mathrm{mm} $ \\
224 \hline
225 0 & 179.5 & 179.5 \\
226 200.8 & 181.5 & 181.5 \\
227 402.2 & 183.6 & 183.7 \\
228 603.2 & 186.0 & 186.0 \\
229 805.5 & 188.2 & 188.2 \\
230 1006.0 & 190.5 & 190.3 \\
231 1201.2 & 192.5 & 192.8 \\
232 1006.2 & 190,7 & 191.0 \\
233 855.5 & 188.7 & 188.8 \\
234 603.2 & 186.5 & 186.5 \\
235 402.2 & 184.4 & 184.0 \\
236 200.8 & 182.0 & 181.6 \\
237 0 & 179.5 & 179.5 \\
238 \hline
239 \end{tabular}
240 \end{table}
241
242 ジュラルミンの長方形断面の縦の長さ $a$、 横の長さ $b$、 棒の間隔 $l$、 鏡とスケール間の距離 $d$ の測定値は次の表に示す通りとなった。
243
244 \begin{table}[htb]
245 \centering
246 \caption{ジュラルミンのヤング率の計算に用いる長さの測定値}
247 \begin{tabular}{cccc}
248 \hline
249 $a / \mathrm{mm} $ & $b / \mathrm{mm} $ & $ l / \mathrm{mm}$ & $ d / \mathrm{mm}$ \\
250 \hline
251 8.073 & 19.495 & 401.0 & 876.3 \\
252 \hline
253 \end{tabular}
254 \end{table}
255
256 またそれぞれの値の不確かさは次の表に示す通りとなった。
257
258 \begin{table}[htb]
259 \centering
260 \caption{ジュラルミンのヤング率の計算に用いる長さの不確かさ}
261 \begin{tabular}{cccc}
262 \hline
263 $\Delta a / \mathrm{mm} $ & $\Delta b / \mathrm{mm} $ & $ \Delta l / \mathrm{mm}$ & $ d / \mathrm{mm}$ \\
264 \hline
265 0.01 & 0.01 & 0.5 & 0.5 \\
266 \hline
267 \end{tabular}
268 \end{table}
269
270 \begin{itemize}
271 \item ジュラルミンのヤング率の計算値
272 \end{itemize}
273
274 ジュラルミンのヤング率を $E_{cu}$ とすると (1) 式の $m/(S-S_0) $ にグラフの勾配より求めた値 $\Delta m / \Delta S$ を使用することで次のように求められる。
275
276 \[ E_{cu} = \frac{9.7978}{2} \times \frac{(401.0 )^3 \times 876.3 }{(8.703 )^3 \times 19.495 \times 34.5 } \times \frac{1107.2}{13.15} \]
277
278 \[ = 71.80918424 \times 10^7 \ \mathrm{kg \cdot m^{-1} \cdot s^{-2}}\]
279
280 ジュラルミンのヤング率の不確かさを $ \Delta E_{cu} $ とすると
281
282 \[ \Delta E_{cu} = E_{cu} \times \sqrt{(\frac{3\times 0.01}{8.073})^2 + (\frac{0.010}{19.495})^2 + (\frac{0.5}{876.3})^2 + (\frac{3 \times 0.5}{401.0})^2 + (\frac{0.5}{34.5})^2 + (\frac{13.86}{91.802})^2 } \]
283
284 \[ = 10.89809736 \times 10^7 \ \mathrm{kg \cdot m^{-1} \cdot s^{-2}} \]
285
286 よって、 ジュラルミンのヤング率 $ E_{cu} $ は
287
288 \[ E_{cu} = (71 \pm 10) \times 10^9 \ \mathrm{kg \cdot m^{-1} \cdot s^{-2}} \]
289
290 と求められた。
291
292 \clearpage
293
294 \subsection{炭素繊維強化プラスチックの測定}
295
296 炭素繊維強化プラスチックのたわみの測定値は次の表に示す通りとなった。
297
298 また重りの質量 $m$ を縦軸にスケールの目盛りの読み $S$ を横軸にとりプロットしたグラフをレポート末尾に添付した。
299
300 グラフの勾配より $\Delta m / \Delta S = \frac{805.0}{42.45} = 18.963 \ \mathrm{g \cdot mm^{-1}}$ と求められた。
301
302 また、 グラフの勾配の不確かさを $ \Delta (\Delta m / \Delta S) $ とするとその値はグラフから決定される値
303 $\delta X = 0.8 \ \mathrm{mm}、 \delta Y = 15.17 \ \mathrm{g}$ を用いて、
304
305 \[
306 \Delta (\Delta m / \Delta S)
307 = 18.963 \times \sqrt{(\frac{\delta Y}{1207.2})^2 + (\frac{\delta X}{63.2})^2 }
308 = 9.816... \mathrm{g \cdot mm^{-1}}
309 \]
310
311 と求められた。
312
313 \begin{table}[htb]
314 \centering
315 \caption{炭素繊維強化プラスチックのたわみ}
316 \begin{tabular}{ccc} \\
317 \hline
318 質量 $ m /\mathrm{g} $ & スケール (1往復) $ S /\mathrm{mm} $ & スケール (2往復) $ S /\mathrm{mm} $ \\
319 \hline
320 0 & 173.5 & 173.5 \\
321 200.8 & 184.3 & 184.3 \\
322 402.2 & 194.4 & 194.5 \\
323 603.2 & 204.6 & 204.7 \\
324 805.5 & 215.5 & 215.5 \\
325 1006.0 & 226.4 & 226.1 \\
326 1201.2 & 236.5 & 236.9 \\
327 1006.2 & 226.6 & 227.0 \\
328 855.5 & 216.4 & 216.4 \\
329 603.2 & 205.5 & 205.5 \\
330 402.2 & 194.5 & 194.6 \\
331 200.8 & 184.4 & 184.3 \\
332 0 & 173.5 & 173.5 \\
333 \hline
334 \end{tabular}
335 \end{table}
336
337 炭素繊維強化プラスチックの長方形断面の縦の長さ $a$、 横の長さ $b$、 棒の間隔 $l$、 鏡とスケール間の距離 $d$ の測定値は次の表に示す通りとなった。
338
339 \begin{table}[htb]
340 \centering
341 \caption{炭素繊維強化プラスチックのヤング率の計算に用いる長さの測定値}
342 \begin{tabular}{cccc}
343 \hline
344 $a / \mathrm{mm} $ & $b / \mathrm{mm} $ & $ l / \mathrm{mm}$ & $ d / \mathrm{mm}$ \\
345 \hline
346 4.830 & 20.100 & 401.0 & 876.3 \\
347 \hline
348 \end{tabular}
349 \end{table}
350
351 またそれぞれの値の不確かさは次の表に示す通りとなった。
352
353 \begin{table}[htb]
354 \centering
355 \caption{炭素繊維強化プラスチックのヤング率の計算に用いる長さの不確かさ}
356 \begin{tabular}{cccc}
357 \hline
358 $\Delta a / \mathrm{mm} $ & $\Delta b / \mathrm{mm} $ & $ \Delta l / \mathrm{mm}$ & $ d / \mathrm{mm}$ \\
359 \hline
360 0.01 & 0.01 & 0.5 & 0.5 \\
361 \hline
362 \end{tabular}
363 \end{table}
364
365 \begin{itemize}
366 \item 炭素繊維強化プラスチックのヤング率の計算値
367 \end{itemize}
368
369 炭素繊維強化プラスチックのヤング率を $E_c$ とすると (1) 式の $m/(S-S_0) $ にグラフの勾配より求めた値 $\Delta m / \Delta S$ を使用することで次のように求められる。
370
371 \[ E_c = \frac{9.7978}{2} \times \frac{(401.0 )^3 \times 876,3 }{(4.830 )^3 \times 20.100 \times 34.5 } \times \frac{805.0}{42.45} \]
372
373 \[ = 67179227.30 \ \mathrm{kg \cdot m^{-1} \cdot s^{-2}}\]
374
375 炭素繊維強化プラスチックのヤング率の不確かさを $ \Delta E_c $ とすると
376
377 \[ \Delta E_c = E_c \times \sqrt{(\frac{3\times 0.01}{4.830})^2 + (\frac{0.05}{20.100})^2 + (\frac{0.5}{876.3})^2 + (\frac{3 \times 0.5}{401.0})^2 + (\frac{0.5}{34.5})^2 + (\frac{9.816}{18.963})^2} \]
378
379 \[ = 34792088.391 \ \mathrm{kg \cdot m^{-1} \cdot s^{-2}} \]
380
381 よって、 炭素繊維強化プラスチックのヤング率 $ E_a $ は
382
383 \[ E_c = (67 \pm 3) \times 10^9 \ \mathrm{kg \cdot m^{-1} \cdot s^{-2}} \]
384
385 と求められた。
386
387 \clearpage
388
389 \section{考察}
390
391 \subsection{文献値との比較}
392
393 アルミのヤング率の文献値は $70.3 \times 10^9 \ \mathrm{kg \cdot m^{-1} \cdot s^{-2}} $ であった。
394 計算値として得られた値は $ (71 \pm 8) \times 10^9 \ \mathrm{kg \cdot m^{-1} \cdot s^{-2}} $ であり
395 これは文献値より大きい値であった。
396 数値自体はかなり近い値だったが、かなり誤差が大きかった。
397 これは、$ \Delta (\Delta m / \Delta S) $の誤差が大きかったこと、ナイフエッジ間のや鏡台の足の長さの誤差を大きく見積もってしまった事などが考えられる。
398
399 ジュラルミンのヤング率の文献値は $74 \times 10^9 \ \mathrm{kg \cdot m^{-1} \cdot s^{-2}} $ であった。
400 計算値として得られた値は $ (71 \pm 10) \times 10^9 \ \mathrm{kg \cdot m^{-1} \cdot s^{-2}}$ であり
401 文献値より小さい値であった。また、誤差もかなり大きかった。
402 両者が一致しなかった原因として、鏡とスケールの距離$d$の値の測定の失敗により実際よりも小さな値を測定値としてしまった可能性があげられる。
403 また、かなり誤差が大きかった。
404 これは、$ \Delta (\Delta m / \Delta S) $の誤差が大きかったこと、ナイフエッジ間のや鏡台の足の長さの誤差を大きく見積もってしまった事などが考えられる。
405
406 なお、今回の実験では、レーザーの装置から鏡までの距離は金尺で届かない長さであったため、複数回に分けて長さを測った。
407 これが原因で、もしかしたら実際よりもひどい誤差が生じている可能性がある。
408
409 炭素繊維強化プラスチックのヤング率は材料の配合によって大きく異なるため、文献値との比較はしなかった。
410
411 \subsection{物質の弾性的性質を表す弾性定数}
412
413 物質の弾性的性質を表す弾性定数に弾性率というものがある。
414 弾性率は変形のしにくさを表す物性値であり、弾性変形における応力とひずみの間の比例定数の総称である。
415
416 弾性率には縦弾性係数、 横弾性係数、 体積弾性率などがありヤング率は縦弾性係数の同義語である。
417
418 横弾性係数は剛性率ともよばれており通常Gで表される。
419 ヤング率が容易に測定できるのに比べ、 剛性率は測定するのが難しい値である。
420
421 \section{参考文献}
422
423 \begin{itemize}
424 \item 基礎科学実験A(物理学実験) 平成29年度版
425 \item 理科年表(2019)
426 \end{itemize}
427
428 \clearpage
429 \begin{figure}[ptbh]
430 \includegraphics[width=7.0cm]{Document_20191130_0001.jpg}
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433 \clearpage
434 \begin{figure}[ptbh]
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436 \end{figure}
437 \end{document}
添付ファイル
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